中野共立病院看護師採用ブログ

どういう経緯でその状況に至ったか。個々を尊重し、信頼しながら関わってみよう

どういう経緯でその状況に至ったか。個々を尊重し、信頼しながら関わってみよう

              ~卒後3年目研修学習会~

3年目研修を受けている看護師さんたちも、職場でリーダーの中心となることも多くなってきました。

毎年、地域に出てみよう!というお題目を持って、中野・杉並区に療養されている患者様をどう支援し、地域の中で医療や福祉を提供しているのか、今いる自分のポジションや立場からの率直な視点から様々な学びを持ちかえってきてくれます。

その前段階での事前学習会を

 斉藤介護福祉事業部長に

『孤立死・孤独死の実情から「貧困」について考える~自己責任論」を超えて~』

ということで、お話をいただきました。

孤独死(こどくし)とは主に一人暮らしの人が誰にも看取られる事無く、当人の住居内等で生活中の突発的な疾病等によって死亡する事である。特に発症直後に助けを呼べずに死亡するケースがこのように呼ばれる。

また社会的孤立のために、住居内で死後他者に気付かれず遺体がそのままとなったケース(特に事件性は無いもの)においては孤立死(こりつし)とも表現される。

(ウィキペディアより)

孤立死=看取られない死

私たち看護師が、看取るってどんなことでしょうか?

【看取り】予後不良と診断された人とその家族の残された生命・生活・時間が、より豊かに安全に・安楽により積極的に過ごせるように配慮し、その人が望むその人らしい最期が迎えられるように援助することであり、同時に看取られる者、看取る者がともに「死に学び成熟する」こと

いま起きている孤独死・孤立死は、全体の1/3が関東部で起きているとも報告されています。

立川で45歳のクモ膜下出血死、息子知的障害で餓死。同じ市内で95歳母親と63歳娘が。また寒い北海道で40代の姉妹2人が病死に続き凍死。

その背景には「経済苦」「障害」「母子」「高齢」「介護」がある状況を紹介されました。

年間209万人にのぼる生活保護者は、戦後の受給状況を超えるとも言われています。その伸びや、社会保障の費用負担のこと、生活保護の不正使用、お笑いタレントの生活保護バッシングなどばかりが大きなマスメディアや、政府の閣議などでは取りあげられて。

その陰で必要とされる手立てが、行き届いていない孤独死の状況。そういったことは命・生活に関わることであり国民の関心事であるのに取り上げられない。

生活保護受給者が209万人へ増加したのは雇用破壊と貧困の拡大によるもの。生活保護を受ける資格のある生活水準の人が実際に受給している割合は、欧州諸国7―8割に比べ日本はわずか1―2割です。この改善が求められます。日本はいま病気や失業すれば誰もが一気に無収入になりかねない「滑り台」社会です。生活を保証することが、本当に課題となっていると思います。

困っているひとのそばに寄り添い、精神的にも社会的にも、もちろん、身体的にも健康であることをめざして、自然治癒力を引き出す援助を行うことが、看護師の役割。

様々な角度から、患者さんをみること、医療情勢を認識することも、国家資格を持つ看護師の役割です。中野共立病院でも、医療を学ぶことと同じ重要な視点として位置付けて学ぶ取り組みをしています。

卒後3年目研修学習会

参加した、研修生からは、

日常にも、高齢の方は本当に多くいる。この(報告された状況)状態が慢性化するか不安。自殺者が増えて働き盛りの方が・・・悲しい。

病院という機関もいわば「セーフティネット」だと思う。自分も何か、知り得た情報の中で、困っている方にお手伝いができればと思った。

など感想交流しました。

様々な悩みをもって入院や、生活をされている方々が、率直に状況を話し、支え合える社会に向けて、何が今からでもできるかな。まずは知らないお隣さん、「こんにちは」「お元気ですか?」の声かけもだいじですかね。命のつなぎ手として、どんな人も大切にされる社会をめざして

中野共立病院 看護学生室 矢野睦子

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